都会の女

F・W・ムルナウ、1930。1927年の名作『サンライズ』と似ているといえば似ている。この映画は陰と陽がくっきりと分かれているのだが、とりわけ素晴らしいのは陽の部分で、そのなかでも陽のラスト、地元ミネソタの麦畑に花嫁と戻る移動撮影は、映画史に残る瞬間だと思う。光と影を使った描写も素晴らしく、扉の使い方に特化した作りも効果的だった。列車の撮影も際立っている。シカゴとミネソタの対比と類似の反復描写も素晴らしい。100点。