寝ても覚めても

濱口竜介、2018。なんだかスケール感のある演出に圧倒された。そんなに大した事件などが起こるわけでもないのに、ワクワクドキドキしながら映画に見入ってしまった。ただストーリーの決定的な部分、東出昌大を追っかけちゃう部分があまり理解できなくて残念だった。しかしこの難役を唐木エリカは素晴らしい能面一本調子演技で乗り切っていると思う。この作品は最近見たなかではすごく映画的だなあと思った作品で、こだわりの配色とかショットとか、定番の鏡の使い方や高低差の使い方や非日常的な描写などが憎らしいほどにしっかり描かれている。映画技法のお勉強にも使える映画だ思う。95点。