早春

イエジー・スコリモフスキ、1970。まず、東欧の映画によく見られるような、赤や緑や黄色を配色したポップな映像が目を引く。中でもやはりジェーン・アッシャーの黄色のレインコート。このレインコートで映画の色は決定的になったと思う。映像はすごくむき出しで猥雑で荒々しい。落ち着いたショットなんて前半はほとんど皆無と言ってもいい。そのゴリゴリとした感触もこの映画の大きな特徴だと思う。記憶に残るシーンが多く、そのインパクトは計り知れない。カンの音楽も非常に効果的。ちなみに資本はアメリカと西ドイツ、撮影は主にミュンヘンらしい。95点。