勝手にふるえてろ

大九明子、2017。オリジナルではないことは容易に想像がついたのだが、てっきり漫画原作だと思っていた。でも綿矢りさの小説が原作と見終えてから知り、原作を読みたくなった。それくらいにこの映画は自由な展開を見せる。前半は本当にワクワクした。でも中盤以降はただの恋愛モノに成り下がった感が否めなかった。ラストの構成もいまいちピンとこず、自分ならセリフ、キス、音楽ドカンという感じで一気に見せたと思う。松岡茉優はこの決して傑作とは言えない映画を素晴らしい技量でコントロールしていた。序盤のスピード感を落として終盤はドラマを見せようとしているのだが、そのドラマが弱い。登場人物の内面の魅力の無さというかリアリティというか、そういう部分は残念だった。原作モノの映像化という意味ではよくできているのではないかと思った。95点。